第2章 濵田崇裕
濵ちゃんとは喧嘩をしたことがない。
私の悪口も怒らず受け止めて、
気をつけるな?って笑ってくれる。
こんな私を可愛いと言ってくれる。
自慢なのに、自慢出来ないわけは
それを皆が知ってしまっているという事実で。
このモヤモヤが、
私をイライラさせる原因となるわけで…。
「相変わらず小難しい顔してるなあ?」
だいじょーぶぅ?って、
上から突然聞こえた声に
バッと顔を上げた。
そこには白Tシャツを着た、
汗だくの今江くんの姿
久々の顔に思わず笑みがこぼれる。
「久しぶり〜」
ほわほわした声と口調に
心が安心する
『今江くん、アメリカ行ってたよね?
いつ帰ってたの?知らなかった…』
「まとくんより先に帰国してんっ
そーやなあ、一昨日かな?淳弥に会ったでえ」
『そうなの?まとくんまだなんだ』
「もう少しダンスしたいって言うてたから
それより暑ない?汗やばい俺」
まとくんとは林真鳥くん。
彼は今江大地くんと言って、
まとくんと幼なじみの子で
今江くんは私の小学校からのお友達。
昔からマイペースで怒らない優しい子で
とりあえずいつも笑ってるような人だ
『ふふ、今江くん汗やばいよ。』
「なんかな、汗っかきやねん僕
涼しいとこ行こうや。コンビニとか〜」
『うん、そうだね』