第2章 覇折れの刃
「全く先に行かないでよ。其れより学校どうするの?」
鈴華は怒りながらまた、案内をする。
「用事が在るから行かないと言っているだろう」
二人は茂みの深い林の中に入り、そこら辺にある木の枝や草を掻き分けて進んでいく
「その用事、あの人方なんじゃないの?だから用事は……」
「それは、お前のせいで逃がした……が、違う用事が出来たのと茂木も居て貰わないといけない」
「其れが、秘密基地という事……なの?」
「まあそうだな」
「ねぇ、ちょっと早くない?もう少し遅く歩いてよ」
「メンドイ、お前が俺に合わすかペースを早くしれば良い」
相変わらず目の前に居る顔が整っている顔の男は冷たいと茂木は感じた。
「確か此処……だった筈」
建物が草で隠れ入り口も草とか蔓で見えない
「曖昧だな……」
「仕方ないでしょ!小さい頃の記憶なんだから!其れよりこの草取るの手伝えよーーーー!!」
一生懸命に蔓やらなんやらとむしり取って頑張る茂木とそれをお前だけやれ、俺は面倒だからやらないという目線を茂木に送るカオル。
「はー、………疲れた」
「遅い、散々待った。」
「それ、何もやってないアンタにいわれたくないよ!?」
そう言いながら鈴華はそっと扉を手で押してゆく、
すると中も、建物の外と同様草が生えているが見えないと謂うほどでもない状態だった……。
鈴華は辺りを見回し懐かしむような小さい頃の自分に戻ったような感覚に囚われた。
「おい、天井を見てみろ」
不意にそう云われた鈴華は上を向く……其処には小さい頃目にした壁画が在った。
剣を持った一人の人が赤い目をした沢山の人に剣を向けていて、その剣を持った人の周りには体が真っ二つになっている赤い目の人が居る壁画だ……
「これはなんだ……」
カオルは呟いた。
すると鈴華は口を開いた
「……人為らざる者、人襲いて殺戮を繰り返さん。人恐れ。其れとめんと覇折れの刃持ち現る。人為らざる者滅びん」
鈴華は口を閉ざした。