第2章 覇折れの刃
「心配せずに入れ、一人暮らしだからな」
ドアを開けて、鈴華達は家の中に入る。
「お茶飲むか?今は其れより聞きたいことがあるか……」
カオルの表情を見て鈴華はカオルにソファーに座るように言い、自分はカオルの真正面に座る。
「聞きたいのはお前は本当に茂木か?」
「茂木かと聞かれたらNОだ。私は茂木の能力が操れなくて出てきた≪能力其の物≫だからな」
「どういうことだ?」
分かりずらそうに少し眉に皺を寄せたカオルに鈴華は簡単に云った。
「つまり、今でいう二重人格に近い物かもな。他には」
「《覇折れの刃》について話せ」
「そう、今から千年前から殺人鬼は現れたのは知っているか?」
その問いに対してコクリとカオルは頷く。
「殺人鬼が現れた……殺人鬼は人を襲い殺戮を繰り返したそんなある日能力を使う男が一人現れた……」
「其の男の名は…………ハクヤと云った。その男は何十年にも渡る戦いで殺人鬼を一度≪滅ぼした≫其の能力でだ」
「それが……茂木が持つ能力覇折れの刃という事か」
鈴華は頷き話を続ける。
「だが……在る者が数年前に殺人鬼を復活させた……如何いう訳だか知らぬが……鈴華には私を使い慣らして欲しいが……今日みたいには……上手く……私が…」
「おい、如何した」
「眠たくなってきとる……そうだ……学校には私が倒れたから此処に運んだ……と…云うとけ……其れと鈴華が目覚めたら小さい頃の秘密基地を……き……け…。」スゥ~zzZ
「眠った……のか」
そう呟いた。
「んん?あれ?私如何したんだろ??」
不思議そうに辺りを見回しカオルが居ることに気付く
「お前が……あの殺人鬼に気絶させられたから俺が運んだんだ」
「へ?そ、それは御免……でも、あの後如何なって」
真剣な目で見て少しプルプルと震えていた
「殺人鬼は逃がしたから、取り合えず重いお前を担いだ」
「なっ、重くてわるーござんしたね!」
「本当だ」
「ムッ」
少し頬を膨らまし怒る。
「其れよりお前は小さい頃の秘密基地とか在ったか?」
「在るけど……其れがどうしたの?」
「其処に案内しろ」
命令口調でカオルは云って、ツカツカと鈴華の部屋から出る。
「えっ、ちょっ、まっ、待って」
急いで又カオルを追いかけ始めた鈴華だった。