第1章 能力の在る者
意味深げな言葉を残して、スタスタと歩き出すカオルに着いていく茂木。
「え?ちょっ、其れ如何いう意味なの」
「其の侭の意味だ、一度だけしか云わない」
素っ気無い素振りで前を進んでいく。
――――――――――
~in商店街~
「確かここだよ」
茂木達は目的地の路地裏へと着いた。
茂木は隣に居るカオルを見て、疑問に思っていたことを聞いた
「ねぇ、何でこんな処に来たかったの?」
が、答えてはくれず。私の方に視線と顔はいっておらず、前の方に向いていた。
その視線の先を鈴華は目で追っかけ見た物は…………
「何……是如何いう状況なの……」
人が倒れており、其処には大量の血と眼を紅く光らせギラリと妖しく光る刃を持った人。
「警察を呼ばなきゃ、後救急車も!!」
目の前の出来事に混乱しながらも携帯を手に取り、鈴華なりの最善の策を取るが……
「警察なんて呼んでも意味なんて無いだろう……第一、その人間死んでるしな」
平然と口で云うカオルは、前に前にと刃物を持った人に近づく、普通だったらそんな事はしないだろうがカオルは違うらしい……
どう考えても何も持ってないカオルに何が出来るのだというのかと茂木は思っていたがカオルの手には何かが握られていた。
「そもそもこいつ等は人間ではない……人の形をした殺人鬼(バケモノ)だ。そんのものを警察が止められるわけが無い!」
そう低く冷たい声で言い放つ。その声には怒りと憎悪の他にも含まれた感情が出ている。
「うふふっ、貴方に私が殺せるのかしら。私は殺人鬼という名前では無くアイリと言うわ。ふふふ」
其の殺人鬼………アイリは不敵に笑い妖しく眼を光らせている。
「絶対に俺はお前ら(殺人鬼)を殺す!」
そう言って駆け出しアイリと斬りあう。
「あら、物騒ねえ」
「お前らには言われたくない!!そもそも人を殺し殺戮を繰り返すお前らと違う」
その様子を茂木は携帯を片手に持ちながら、呆然と見ていた。