第17章 ありがとう
今日はこれといった予定もなく、お家でだらだらタイムかなと考えていると一本の連絡が
『あ、由梨ちゃん。突然でごめんねぇ。今日って仕事?』
「いえ!今日はお休みなんです」
『あら。なんて良いタイミング。…もし予定無ければなんだけど。ブランチでもしに行かない?』
なんて素敵なお誘いを
和さんのお母さんからいただいたのだった。
「あー。美味しかった」
大満足な顔をして食後のティータイムをして
「はい。とっても美味しかったです。」
「良かった。和とはこういうデートなんてしないでしょ?まったくあいつは」
これってデートだったんだ。となんだか可笑しくて笑ってしまう
「そもそも。ちゃんとデートとかできないわよね。」
1人完結するお母さんに思わず、ふふっ。と声を漏らしてしまう
「お母さん。大丈夫ですよ。たまにドライブも行きますし。…でも、お家でのんびりするのが1番落ち着きますから」
お酒も飲めますしね。と付け加えるとなんとも言えない顔をするお母さん
「……似た者同士なのかしら。ほんとにお嫁に来てくれてありがとうね。由梨ちゃん。貴女じゃなかったら結婚生活すぐに嫌気がさしちゃうわよ」
「そんな事ないですよ。…和さんいつも優しいし。ほんとに良くしてもらってます」
今までの事を全て振り返っても
やっぱり和さんの優しさで溢れてて
でもこの優しさはなんだかお母さんからも感じ取れる
お母さんは何故かハンカチを目頭に当てながら、なんて健気な…。とぶつぶつ呟いていた
「ところで由梨ちゃん。今日は予定は本当にないのよね?」
「はい。ないですよ」
再度念を押すような言葉に首を傾げる
するとお母さんは立ち上がって
「じゃあっ!!私にまだ付き合ってね!」
伝票を掲げながらにっこり微笑まれた