第17章 ありがとう
「いってらっしゃい」
「行ってきまーす」
いつも通り頭の上にぽんと手を乗せて先に出て行くたいちゃん
「和さんも。いってらっしゃい」
「ん。いってくるね」
チラッと玄関を見た後に近づいてくる顔
「…………あれ?してくれないの?」
ニヤッと笑いながらそんな事言われて
思わず両頬をおさえる
すぐ赤くなってしまうこの顔をほんとどうにかしたい
意を決して軽く背伸びをして待ち構えてる和さんにキスを一つ
「ふふっ。そこなのね」
頬にしたら何が面白かったのか肩を震わせてて
今度は和さんからキスを
「んっ………」
当然今度は頬なんかじゃなくて
「んふふ。…よし。行ってくるわ」
満足げに目を細めて頬を摩られて
多分赤いんだろーなって思ったけど
再度、行ってらっしゃい。と見送った