第16章 女の子の日
最愛の嫁なんだから。とわざとらしく言うたいちゃんに、たいちゃんもだよ?と返す
「俺?」
「うん。たいちゃんも優しい」
「そうか?自分ではわかんねーけど」
カラッと笑うたいちゃん
こういうところがたいちゃんのモテ要素なんだよなと改めて思った
「あ、やべ。マネージャーから連絡来てるわ」
そろそろ行くな?と頭をまたぽんぽんと優しく撫でられて
「来てくれてありがとう。行ってらっしゃい」
「おぅ。行ってきます。…あ、今日はもう帰って来れねーんだ」
ちょっと寂しそうに言いつつ慌てて玄関に向かうたいちゃんをソファから見送った
「由梨?起きれる?」
次に目を開けた時には和さんが優しく頬を撫でてて
「ん……あれ。お帰りなさい」
「ただいま。スープ作ったけど飲めそう?」
はい。と言いつつカーテンの向こう側を見ると日が陰っててもうすぐ真っ暗になりそうだった
「…寝過ぎちゃいました」
休みの一日を無駄にしてしまった気がしてちょっとだけしょんぼりする
「フフッ。たまにはいんじゃない?」
そう言ってキッチンに向かう和さんを追いかけようと立ち上がるとクラクラしてソファに思わず座り込んでしまった
「眩暈?」
「はい」
「目閉じてなさいよ。手伝いは気にしないで」
もう一度頬を撫でられて和さんはスタスタとキッチンに向かった
「トイレ行っとく?立てそう?」
私の様子からトイレも行けないんじゃないかと心配になった和さんが両手を握って言うのでゆっくり立ち上がった
幸いもうクラクラはそこまでしないので、ありがとうございます。と言ってトイレに向かう
戻ってくると先に食べ始めてる和さんの隣に座った