第16章 女の子の日
「たいちゃんがお昼ご飯届けてくれました。和さんが言ってくれたんですよね?」
ありがとうございます。と言って見つめる
「いーえ。こういう時は秋ちゃんが1番上手いからね」
確かに
たいちゃんは女性の扱いがスマートで
今日みたいな日は時にそれが身に沁みた
でも
「和さんも上手ですよ。だって朝からずっと嬉しかったです」
仕事前にせっせとお菓子を集めてる和さんを想像してフフッ。と笑う
「そんな事言うの貴女だけよ」
ンフフ。と笑いながらゲームを付ける和さん
和さんの作ってくれたスープは優しい味で
ゆっくり食べて片付けようとしたら
「いーよ。俺やるから」
ついでに酒〜。と言いながら軽やかに空になった器を奪い取ってキッチンに向かってしまった
その後
明日は仕事だから準備をして
和さんの次にお風呂に入り
寝る支度をしてリビングに向かうとまだゲームに夢中な和さんの隣にぴったりくっついて座った
「一日寝てたらちょっと良くなってきました」
「そう。良かった」
「ありがとうございます」
少し頭を傾けて寄りかかると
同じ様に頭を傾けてコツンとする和さん
「先寝ててもいいよ?まだ終わんないから」
「………このまま隣にいてもいいですか?」
なんだか離れたくなくて
思わずそんな事を口走るも
「フフッ。いーよ?膝枕でもどう?」
胡座をかいてぽんぽんとするのでゆっくりそこに頭を乗せて上を見上げると
和さんの顔がテレビ画面に照らされて
色んな色に反射してるのをジッと眺めた
「……なに?」
視線が気になったのかちょっとニヤつきながらそんな事を言われて
「気が散りますか?…ごめんなさい」
「んー?いや?」
見ててもいーよ。と言われたから
素直に見つめてると
「フフッ。ごめん。やっぱり気になっちゃうかも」
何でか嬉しそうにそう言って
コントローラーを置いて
私を見つめ返して来た
「んっ」
そのまま顔が近付いてきて
何度もキスされて
「こういう事。したくなっちゃうから目閉じて横でも向いてて」
髪の毛を指で解かされながらそんな事を言われたから
和さんのお腹側に顔を向けて目を閉じた