第2章 楓編
個室のカフェで待っているとやつれた顔色の悪い由梨があらわれて思わず大きめな声が出てしまった
「由梨!!あんたなにやってんのよ!それ!」
そう言って由梨を指差すけど当の本人は、何がですか?と全く理解出来ていないよう
はぁぁ。と溜息をつき雪乃くんが心配していたことを伝えるが更に首を傾げ理解ができないようだった
「由梨私言ったわよね?頑張りすぎると身を滅ぼすわよ」
以前アシスタント時代に頑張りすぎていた由梨に言ったことをもう一度言った
「え、でも今私ちゃんと休んでますよ?連休中だし」
きょとんとして言う由梨に驚いた
そして雪乃くんが言った言葉を思い出した
「由梨…もしかして。病気?」
「はい?」
私の質問に素早く返してきたので、よく見なさい。と鏡を取り出して自分の顔を見せた
「生気ないし、痩せちゃってるし。…もう。どこまで心配させれば気がすむのよ」
そう言って思わず涙が出てハンカチを目に当て拭った
由梨は私をちょっと見た後鏡の中の自分を見ていた
そして自分の顔を見て少し納得したのか衝撃発言を繰り出した
「確かに。…最近あんまり食べれてなくって。だからですかね?生理止まったのも」
思わずギョッとして固まってしまった
そして立ち上がり、ちょっと待ってなさいと言って席を外し薬局に駆け込み妊娠検査薬を買って急いで由梨の待つカフェに戻った
息を切らして戻り、ほらっ!これ!今すぐやってみなさい!と言って今買ってきたものを渡すと少しフリーズし、えっと。これは…と分かりきっている事を確認され動こうとしない由梨を無理やりトイレに引っ張っていった
トイレのドアの外で、出すまで出るな!と思わず叫んでしまった
そして少し咳払いをして少し自分を落ち着かせ改めてゆっくり由梨に話を聞くことにした
「いつからなの?止まってるの」
「…半年?」
はっ?!と思わず声が飛び出した
暫くして由梨がトイレから出た瞬間思わず抱きしめて、どうだったの?と聞くと検査薬を渡されみると予想どおりのものだった
由梨は驚きもせず、泣きもしないでなんの反応もなかった
そんな由梨を見てボロボロ涙が出て止まらなかった