第11章 豹変
「あ!和さんお帰りなさい!」
既に晩酌を粛々と始めてる由梨に、ただいま。貢物だよ。と紙袋を渡す
そしてさっさとシャワーを浴びて戻って来ると既に俺の分のグラスを用意してくれていた
「お!あんがと」
ソファに座ると先程の酒をトプトプと良い音を鳴らしながら注いでくれる
「これ、初めて飲みます」
すごい嬉しそうな顔をする由梨
あー。この人ほんとに酒好きね
そんな事を思いながら、上手いけど気をつけなきゃだめなやつよ。と言って由梨のグラスに注いであげてカチンと軽く乾杯して飲み始めた
1時間後
「由梨、大丈夫?」
ゲームしながら飲んでいたからついうっかり由梨が飲みすぎている事に気が付かなかった
ひと段落して背伸びをしながらふと横を見ると顔を赤くしてもう一杯飲もうとしてた
「もうやめときなさい」
優しく手からグラスを取って後片付けをする
キッチンで洗い物をしていると背後からギュッと抱きしめてきた
「ん〜?どした?」
「………く、て」
なんつった?、水の音でよく聞こえなかったから水をキュッと止める
「くっつきたかった、です」
「ンフフ。いいですけど」
振り向き抱きしめると嬉しそうにする由梨
そして手を引っ張られソファに連れてかれた
ソファに座るとその上に跨る由梨
これは
珍しすぎる
目は完全に酔ってて
いつもよりふわっふわな状態
「へへっ♪」
イタズラをするような顔になり
俺の服を脱がそうとする
「由梨?ソファは嫌なんじゃなかったっけ?」
「うーん。……でも、和さんともっといちゃいちゃしたいです」
ん?
今この人いちゃいちゃって言った?
普段の由梨からじゃ到底出ない言葉を聞いて一瞬固まる
そしてこんなに積極的なことも今まで一度もなかった
「あなた、ほんとに酔っちゃうとそんななのね」
クフフっと吹き出しながら言うとちょっとムッとしてる由梨
そんな姿もまた初めてで
これは中々面白いなと悪戯心が沸々と湧き上がる