第10章 親友=心友
「はい。もちろんです。……先程は本当にすみませんでした。和さんの妻をやらせてもらってます。由梨です」
よろしくお願いします。と頭を下げると頭上からクスッと笑う声が。不思議で彼を見ると口をちょっと抑えていた
「あの、私変な事でも言いましたか?」
ちょっと不安になりそう言うと、え?いや。えーと。と困った顔をしていた。
「まぁ秋ちゃん気にしちゃダメよ。こう言う人なのよ」
そう言って秋岡さんの前にドンッとビールを置く和さん。
なぜか、そうなんすね。と納得している秋岡さんに、おつまみもありますよ。と言うと、マジですかっ!とすごく喜んでくれた。
「えっ。…あんた達。同い年だったの?」
お酒も結構進みいろんな話をしていたらそんな事実が発覚した。
「はぁぁぁ。俺もおっさんになったなー。」
そんなこと言いながらゲーム片手にビールを飲む姿は結婚前、というか付き合う前から変わらなくて、和さんはずっと変わらないですよ?と言うと、ありがと。と何故か嬉しそうだった。
「何か不思議ですよね!二宮くんの奥さんが俺とタメって。」
「いや、そんなことないけどさ。……あ、そうだ。そしたらさ、由梨。今度から秋ちゃんにはタメ口ね。」
敬語禁止だから。秋ちゃんもだよ。ニヤッと笑いながらそんなことを言われ、えっ。と驚いているとクスクス笑いだす和さん
絶対今急に思いついて、そして私の戸惑う姿で遊んでいるのは容易に理解できる
「いやいや!二宮くんの奥さんにタメ口とか怖いですよ!」
絶対そう言うことテレビで言うんだから!と慌てる秋岡さんに、そう!無理ですよね!と乗っかると、ダーメ。と一言で片付けられた。
「そうだなー。由梨はたいちゃん?って呼んだら?秋ちゃんでも良いよ。どっちにする?」
そこそこ酔ってる和さんは完全に意地悪モードに入っていて戸惑うことしか出来ない。
「えっ。…和さん。楽しんでますよね?」
戸惑いながらもそう言うと、うん。とニヤニヤしていた。
「いやー。ラブラブすぎでしょ」
そう言って顔を両手で覆いながらも指の隙間から私達を見る秋岡さんはニヤケていた。
一体今の私達の会話のどこら辺でそんな事を思ったのかは分からないが顔が熱くなるのを感じた