第3章 輝編
ヒロトに由梨ちゃんと会わせてもらってからヒロトは時間の会う限り由梨ちゃんを連れて来るようになった。
「お前、本当はそういうタイプだったんだな」
由梨ちゃんがまだ来てないうちにニヤつきながらそう言うと、は?と言うヒロト
「本当はもっと一緒に居たかったんだろ?言えよな〜そういうことはよ。」
笑いながらお酒を飲むと、ちげーよ。と低い声で言われた
何が違うのかな〜?と流しつつ聞くとはぁ。と溜息を吐くヒロト
「お前さ、確認するけど。由梨のことどう思ってる?」
鋭い目で言われて一瞬フリーズする
「は?…いや、どうって。ヒロトの彼女だろ、なんだよ急に」
可愛いよな。なんて言ったら殺されそうな雰囲気の中、平然を装いそう言うと
「お前がそれ以上の感情持つなら、友達やってけないから」
なんだよ。それ。
もう友達じゃん。
というかもう俺の中ではヒロトは親友の域に達していて今更友達やめるなんて考えられなかった。
「なんか。怖いんだけど。」
俺がそう言うと、怖くしてんだよ。と睨まれた
ヒロトと由梨ちゃんは仲良さげに見えるがたまにヒロトにビクビクしてるような感じになる。
ヒロトの怖い発言から俺は一歩引いたところから2人を見るようになった。
なんか。
様子がおかしい。
漠然とそう思った
人それぞれ恋人の形があるけれどそうじゃなくて由梨ちゃんはいつもヒロトの機嫌を伺うような。
ヒロトが由梨ちゃんに触れるとぶるっと震えるとか。
それでも由梨ちゃんはヒロトの側にいると嬉しそうにしていた。
それがなんだか苦しく感じて。
今すぐ連れ出したくなった。
いつの間にか俺は「ヒロトの彼女」としてでなく由梨ちゃんとして。
好きなんだなって気づいた。
そこからの行動は恐ろしく早くて、俺は学校帰り由梨ちゃんの通ってる学校の前で約束もしていないのに待ち伏せしていた
「輝…さん?」
俺を見た由梨ちゃんは目を真ん丸にしてかなり驚いていた。
「…おぅ。ちょっと話良い?」
俺の言葉に渋るように頷くのでヒロトとはあまり来ないようなおじさんが多そうな個室の居酒屋に入った