第17章 ありがとう
「あら。かっこいいなんて。そんな事思ってくれてるの?良い奥様もらっちゃったな」
ふふって笑いながらそんな風に言う和さん
「あははっ!…まぁ、でもさ。流石にもういいんじゃないの?ほら!見てみ?和さんいつも通りニヤニヤしてんじゃん」
そう言って両頬を手で挟まれて和さんの方に向かされて
バッチリ目が合う
「うぅ……」
「クフフっ」
「唸らない!ほら!いつもの和さんだろ?」
「………うん。ごめんなさい」
謝るとさらに笑い出して震え出す和さん
「やめて。秋ちゃんも由梨も。笑い殺される」
「よしっ!じゃあ俺出るわ」
そう言って両頬から手を離して突然立ち上がるたいちゃん
「ふぇ?!出る?帰るの?」
なんで!
私の方が今2人きりは恥ずか死ぬ!
帰りもずっと緊張してたのに!
「無理無理!和さんに早く出ていってオーラ出されてるし。賢い後輩はお暇するよ」
じゃ、頑張れよ。とまたいつもの様に頭を撫でられて
さっさと出て行ってしまうたいちゃん
「ンフフ。秋ちゃんもほんと面白い」
そんな風に言って酒を追加しにキッチンに行く和さん
「由梨もおかわりする?」
そう言われて、はい。と答えると新しいグラスとワインを持ってきて
「んじゃこれ開けちゃう?由梨の初ライブ鑑賞記念に」
ふふ。と笑いながら開けて注いでくれて
カツンとグラスを合わせて乾杯する
「由梨は不本意かもしれないけど。俺は嬉しかったよ?」
「へ?」
「あー。…まぁ、でも。ソロ曲をあそこでお披露目は俺もちょっと不本意だったけど」
目を細めてワインを見ながらそんな風に言われて
「あの、、、聞いてはダメですか?」
「ん?」