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歳下 LOVE♡WAR【R-18】

第1章 待ったなし。


今から遡ること二年。
当時高校二年生だった私は、都心から離れた所に家族四人で暮らしていた。私と血の繋がった母はすでに病気で他界しており、父の再婚相手とその再婚相手の娘である仁奈、再婚相手であるママ、お父さん、そして私の四人だ。仁奈とは歳が三つ離れており、当時仁奈は中学二年生だった。

そんな私達家族の隣の家に住んでいたのが、斉藤一家。
斉藤家とは家族ぐるみの中で、まだその時は斉藤家の一人息子であるくそガキこと、来斗(らいと)は私の可愛い弟のようなものだった。

『ゆり姉ちゃん、大好きっ!』

と、私を見つけるなり、無邪気な笑顔で抱きついてきて……ものすんごく可愛かった。

斉藤家は花道一筋の由緒正しき家柄で、その長男ということで来斗は大事に育てられてきた。花道はもちろん、ピアノにヴァイオリン、書道、剣道、合気道……。いつ休んでいるのか、というくらいたくさんの習い事をこなし、常に勉学も学年トップ。運動神経も良く、陸上部の子にも負けない足の速さを持ち、サッカー部や野球部の部員にも負けない技術力。どの文化部よりも優れた美術的センス。そして、極めつけはあの容姿。無駄がなく、程よい筋肉が付いた体に、鼻筋の通った彫りのある顔。ひいき目なしで、完璧だと思う。性格だって、まるで英国紳士のようでありながら、甘え上手。

いや、訂正。
完璧だと思う、じゃなくて、完璧だと思っていた、だ。そう、過去形。現在進行形なんかじゃなく、過去形。
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