第1章 待ったなし。
笠井ゆり、十九歳。
今年の春、大学生になったばっかりのまだまだ若々しいJD。
好きな食べ物はしいたけ以外。
嫌いな食べ物はしいたけ。
長所は全てで、短所はあるわけがない。
と、自分では思っている。
人によって、私の長所や短所の受け取り方は様々だ。例えば、せっかちで自己主張が激しいthe 委員長タイプの人は、私の意見をズバズバ言う所を長所、めんどくさがりであまり積極的ではない所を短所とするだろう。そして、クラスに一人はいるであろう前述したような委員長に目をつけられる、全ての事において無気力な子は、私のめんどくさがりであまり積極的ではない所を長所、意見をズバズバ言う所を短所とするだろう。
つまりは本当に、それは人それぞれなのだ。
長所は全てで、短所はあるわけがない。というのは、軽い冗談だ。私にだって他人から見れば長所と短所くらい山ほどあるだろうから。
まあ、そんなしょうもない持論は置いておいて。
私が目の前にいるこのくそガキを、いつからくそガキと思うようになったのか。
今から私が高校二年の頃……つまりは、今から二年前の話。