第2章 02
まさかと笑い飛ばして再びウーロン茶で喉を潤した。
なんだかやたらと喉が渇いて、あっという間に少なくなったウーロン茶が入った容器がとても軽い。
「だって黄瀬君、その苗字さんという人が他の男子と話していると嫌なんでしょう?」
「嫌っていうか、面白くないっス」
黒子の質問に教室での光景を思い出して顔を顰めた。
何度見てもいらいらとする。
「もしですよ?もし苗字さんに彼氏が出来たら、黄瀬君はどうですか?」
苗字さんに彼氏が出来るかもしれないなんて考えた事もなかった。
どこの誰だか知らない男と…いや、知っている男であっても、苗字さんが他の男と特別仲が良くなるなんて考えたくもない。
かっと目の奥が熱くなった。
「だめっスよ、そんなの」
自分でも分かるくらいに低い声が出たが、こんな声も出たんだなんて冷静になる余裕はなかった。
ただただ、どうしようもなく嫌だった。