第7章 07
臆病で意気地のない過去の自分を責めて悔いた。
好きで、本当に好きで、俺だけの苗字さんでいてほしい。
苗字さんを想って窓の外を見ていると、ジャージのポケットから振動が伝わってきて携帯が鳴っている事を知らせる。
携帯を開くとディスプレイには受信メールの知らせ。
メールフォルダを開くと黒子からで、ぶちかましてきてくださいという内容に小さく吹き出した。
随分と過激なエールだ。
告白する事で関係が変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
まさに今まで俺が告白を渋ってきた理由だが、気持ちを伝える事だけでもしたかった。
このまま終わらせたくはなかった。
電車を飛び降りて駅のホームを駆け抜けた。
苗字さんの出発まであと5分。
クラスメイトたちが見送りに来ているはずなので、きっと駅のホームにいるだろうと予測して、適当に買った乗車券を改札に突っ込んだ。