• テキストサイズ

【黒子のバスケ】Select me

第6章 06



分かってる、俺はバカだ。
ただの逃げだと分かっている。
だからといってどうしろと言うんだ。
部活だってこの夏を最後に引退だ、おざなりにしたくはない。
苗字さんは大切だ。
しかしバスケも大切だ。

「諦めるなんて君らしくないですね」

「だって、どうしようもないじゃないっスか」

「ここで諦めたらきっと後悔しますよ」

ぐっと奥歯を噛み締めた。
苗字さんとはぎくしゃくとしたまままともに話していない。
このまま別れるのは俺も躊躇われた。
メールではなくて、電話でもなくて、俺がちゃんと見送りたかった。
隣の席からずっと見てきた、失いたくない人。
このままでいいはずはなかった。


/ 51ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp