【おそ松さん】歪んでいるというには、あまりにも深く
第4章 私と死んで下さい
「ねぇ、一松...私ね、ずっと一松が好きだった。だからね、一松と恋をする物語を書く時はハッピーエンドばかりにしてたの、でももう疲れちゃった」
彼女はそう呟いた。
悲しげに、そう呟いた。
「一松、夢でもいいから会ってみたかったなぁ」
オレはここにいる。
ずっと側にいた。
アンタが文章を書き始めた日から、ずっと...。
「ごめんね、私が文章下手っぴのせいで最後まで書いてあげられなくて、弱くてごめんね」
スマホ画面にポタリと落ちる水滴が、画面を七色に塗りつぶす。
つうっと流れる涙が、目に痛い七色に染まってスマホ画面を濡らした。
そして、覚悟を決めたように『はい』に指先を置く。
「あ...れ...」
幸か不幸か、1粒の涙がスマホをバグらせてしまった。
スマホのバグのおかげで画面をタッチしても全くと言っていいほど反応しなくなる。
「嘘...こんな時に...」
ぐったりと項垂れて、彼女はスマホをベットにほり投げた。
ひひっ、御愁傷様。
そんな簡単に消されてたまるか、もっと書いてもらわなくちゃ...。
ゴミクズだって、死ぬのは怖い...?
俺達の世界で死ぬとか普通だからね。
宇宙人に拐われるし、矢は刺さるし、崖から飛び降りるし、巨大猫足に踏まれるし、いやこれはまぁ至福だったけど...。
電子分解、ゾンビに何回なったかなんかわかんないし?
最後の最後は宇宙旅行よろしく、全員仲良く真っ裸で宇宙空間に漂う気持ちってわかる?
ふひっ、ゾクゾクするよ。
全員一緒だし...。
1人じゃ、ないし...。
「あれ、メッセだ...」
ーーー
初めまして。
正直アンタの文章、ハッピーエンドばっかりで反吐が出そうになる。でも、ハッピーエンドって結構好き。
オレみたいな奴からメッセとか、不快でしかないよね?
ひひっ、本当に御愁傷様。
こんなゴミクズに読まれるなんて、どんな気分?
これからも読まれるとかどんな気分?
...まぁ、だからこれからも頑張って書いたら?
読んでやらないこともない...
...ファンです...
発信者 紫の猫
ーーーー