【おそ松さん】歪んでいるというには、あまりにも深く
第4章 私と死んで下さい
「泣かないで...」
そっと呟く、暗い部屋の中で、そっと...。
それでも、彼女から涙がとめどなく溢れ出てやむことは無い。
本当にオレってクズだよね。
ゴミだし、なんの役にも立たないよね。
好きな子の1人さえ助けてあげられないんだから...。
「ねぇ、オレは君の文章が好きだよ」
在り来りなハッピーエンド、この荒れ放題の部屋と正反対な美しい文章。
優しいハッピーエンドばかりの夢。
幾千の苦労の波に飲まれても何度でも何度でも巡り会って、恋をして、愛しあって結ばれていく。
誰でも思いつきそうな、そんな優しい優しいハッピーエンドばかり
在り来りで飽きてしまうかもしれないけれど...。
そんな優しい物語を描く君が何よりも...。
「...消そう」
すいすいと指が動く。
ーこの物語を消去しますか?ー
はいという文字に置かれた人差し指。
急がないと彼女の時間が消えてしまう。
彼女の努力が1と0の狭間からなくなってしまう。
それは即ち、オレが消えるってこと....。