【おそ松さん】歪んでいるというには、あまりにも深く
第2章 ただ欲しいだけです
「あやちゃん、好きだよ」
私は目を見開いた。
とても切なげな瞳が真っ直ぐに私を見つめれば、胸の奥を焦がしていく。
そっとその人の頬に手を伸ばせば、ジャラっと冷たい金属音。
「トド松...く」
「...うん」
あぁ、馬鹿な人。
馬鹿な女の馬鹿な茶番に付き合おうとするこの人は、きっと馬鹿な人だ。
そして、きっととても優しい人。
「愛して下さい...お願い」
自分の唇から零れだす言葉。
名前はわざと呼ばなかった。
いや、言えなかった。
口をつぐんでしまいたくなるほどに、目の前の人は悲しい目をしていた。
そして彼の瞳に映る私も悲しい顔をしていた。
私の一言を皮切りにプチプチと服のボタンが外され、肌が露わになる。
手首についた鎖が服を最後まで脱ぐ事を許さなかったが、彼の愛撫を受け入れるには十分だ。
薄いピンクのレースのブラのホックがパチリと外される。
下着はいつもピンク色、私がトド松くんだけの物だよとそう伝えるために彼の好きな色を着けた。
今となってはただの虚しい行為にしかならない。
グイッとブラを上に上げられると、ふるりと控え目に揺れる胸。
チュッと小さなリップ音がして、身体がビクリと跳ね上がる。
赤い舌が私の突起を舐め回せば、じわりじわりと下半身に熱を感じた。
じわじわと何かが体の内側から溢れ出てくれば、それは私の花を濡らしていくのがわかる。
「ふっ...んんっ」
口をおさえて声をさえぎれば、苦しさが増して胸が痛い。
トド松くんでない人とこんな事をしているという罪悪感が、ギリギリと胸の奥を締め付けた。
それを和らげるみたいに、突起を舐め回される。
赤く濡れた舌が突起を撫でるたび、硬くせり上がって身体が正直に快感に従う。
おさえきれず、小さく漏らす声は自分で聞いていてもいやらしくてまた花を濡らす。
どろどろになっていく私の花、それを隠したいのかそれとも見つけて欲しいのか脚を擦り合わせれば、くすりと笑う声が一つ。
「...触って欲しい?」
いつの間にか突起から口を外したその人は、妖艶に微笑んだ。