第7章 この部屋はあたたかい(おそ松)
おそ松くんは急にこの部屋に来なくなってしまうことがある…
平気で1週間ほど連絡も取らず、またふらりと何事もなかったかのようにやって来るのだ…
おそ松くんが私に飽きて、来なくなってしまうとしたら… それは仕方がないことなのかもしれない…
こわくなんてない…
彼がこの部屋に来てくれる限り、私は彼を笑顔で迎えて、彼が望むことをするのだ…
おそ松くんが来なくなって今日で5日…
今までもこんなことは何度かあった。
テーブルに頬杖をついてぼんやりと赤い家具を眺める…
松の形の赤いクッションは彼のお気に入りで、もたれ掛かって寛ぐのがお決まり…
赤色のソファーに座り、もぐもぐと煮干しを食べていた。弟さんが猫のおやつに買った煮干しをこっそり食べたら、意外に美味しくて煮干しが好きになったと話していた。
赤いベッドでは、赤いパジャマを着て幸せそうに大の字になってゴロゴロしていた。いっつも実家では弟たちと一緒のふとんで寝てるから、広いベッドうれし〜って…
眠くなってきた… 来ないなぁ… おそ松くん…
ピンポーン
間延びしたチャイムの音が聞こえて目が覚める…
「ゆいちゃ〜ん、来たよ〜」
パーカー姿のおそ松くんがいつものように玄関で靴を脱いで、ペタペタと廊下を歩いて来るのが見えた。
「おそ松くん!」
大きな声で彼の名を呼び、思わず抱きついてしまう。
「あれ〜ゆいちゃん甘えんぼだね〜 どったの?」
彼は私の頭をよしよしと撫でてくれる。何も答えずに身体にしがみつく力を強める…
「…そんなにおっぱいぎゅってされるとお兄ちゃん勃っちゃうよぉ〜 我慢強い方じゃないんだから〜」
そう言いながらまた自分の下半身を私の足に擦り付けてくる…熱く主張するおそ松くんに興奮してくらくらとしてしまう私は本当に重症だ…
「私も我慢できない… おそ松くんに触りたい…」
どんな時でも、おそ松くんが望むのであれば私は彼に抱かれたい。
大好きだから。
その言葉は決して口には出さずに、いつものようにおそ松くんの自身に触ることで彼に応えるのだ…