第6章 真昼の夢(十四松)
「何?なんかあった?」
男の子はわたしの目の前までやってきた。
「すっごく速く泳いでて、何が泳いでいるか分かんなかったから声掛けてみたんです。あの…人間ですよね?」
「うん、多分人間」
彼は淡々と答える…多分って…
「どうして泳いでるんですか??」
「水があるところでは泳ぐものだから!君も泳ぐ?めっちゃ楽しいよ」
男の子はずぶ濡れのまま歩いて行こうとする…
「ずぶ濡れですけど、着替えとかどうするんですか?」
まさかこのまま過ごすなんてことはないだろう…
「着替え?そんなことしなくても動いてたら乾くから!ハッスルハッスル!マッスルマッスル!」
「ええっ?!このままなんですか?」
「うんっ やきうしてたらすぐ乾くよ!君もやきうする?」
…やきう? よく分からないけど、すっごくおもしろい男の子…
彼とやきうをしてみようと思った。