第5章 君と海の底へ(おそ松)
「今日はどこへ行くの?」
歩きながら尋ねてみると、彼はニカッと笑う。
「なんとなんとっ…ハタ坊の水族館で〜す!!」
ちょっと勿体ぶって答える彼。
「ハタ坊って誰…?」
初めて聞く名前に首をかしげる。
「あぁ、言ってなかったっけ。ハタ坊は俺たちの幼なじみで、なんちゃら事業で成功してスッゲー金持ちになった奴なの。別名、金ヅルぼ…」
「…っ! いま、人として言ったら駄目なワードじゃなかった?」
おそ松くんは時々エグいことを言う…でも、そんなところも好きだけど。
「言ってない、言ってない〜ゆいちゃんの聞き間違いだってば」
笑いながら誤魔化す彼。
「そのハタ坊さんにお金ちょうだいとか言ってないよね?」
「ははっ だから言ってないよ〜!ハタ坊がでっかい水族館を建てて、ともだちはタダで入っていいじょ〜って招待してくれたから、今日は水族館デートなわけ」
頭の後ろで腕を組みながら話すおそ松くん。
「金持ちの友達持つと色々ラッキーなんだよね〜」
…これは色々とせびってるな…