第4章 僕は君の猫(一松)
ゆいさんとベッドの中で色々な話をした。
話をしたと言っても、口べたな俺にゆいさんが質問をして、俺がそれに答えていく感じだったけど…
「一松くんは紫色が好きなの?」
「…好きっていうか…僕のカラーだから…」
「カラー?」
「僕、むつごの四男だから…見分けがつくように、中学の時に色分けすることになって、その時に僕の色は紫になっただけ」
「でも紫色は一松くんにぴったりの色だね。わたしも紫色が好きだよ」
「…なんか紫って不安定なイメージじゃない?周りの色によって印象を変えるとか」
「う〜ん、どんなものにも良いイメージと悪いイメージがあるんじゃないかな?わたしの中では紫は高貴なイメージだよ。あと、なんかミステリアスですてきじゃない?」
「…」
ゆいさんの年齢の話もした…
彼女は俺よりも8歳上だと話した…そんな歳上になんて見えないな…
すごく…きれいだし…
「一松くんと猫たちはお友達なんだね?」
「…猫は話さなくても分かってくれるから…さみしい暗い奴だって思う?」
俺らしくない…ずいぶんと素直な気持ちが言葉になる…
それは、ゆいさんが大人だからかな…?
「またネガティブなこと言う。どんなに一松くんが自分のことを卑下しようと、わたしは一松くんと仲良くなりたいの。それにあなたみたいな色っぽい男の子、なかなかいないよ」
俺は色っぽいのか…狂ってるな。
…こんなふうに俺は誉めてほしくてしかたないくせに、いざ誉めてもらうと素直になれない面倒な奴だ。
きっとゆいさんはまだ分かってない…俺のことをもっと知ったら、きっとがっかりするだけ。
俺はがっかりされるのが恐くて仕方なくて、人間関係で先へ踏み出せないことばかりだった…
「一松くん、もう来ないとか思わないで、また遊びに来てね」
「…」
「今日したこと、またしようよ…」
…最後の言葉の破壊力っっ…すさまじいっ…
「ハイ…」
自分がこうしてエロいことに釣られてカタコトで返事をする姿を、俺は前世から知っている気がした…