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【おそ松さん】君に触れたい

第3章 これを恋と呼ぶのなら3(おそ松)


仕事帰りの電車が赤塚駅に到着する。


行き交う人の波…その波に沿って私も移動する。




おそ松くんに会えなくなって、もうすぐひと月…


さみしさにはまだ慣れないけど、私の日常は続いている…





改札が見えてくると、つい赤色を探してしまう…


いるはずないのに…


馬鹿みたいに期待して改札を見つめ…


人波の中でひっそりと肩を落とす。


そんな毎日だった。














でも、今日の電車の中であの赤色が目に飛び込んできた。


鮮やかな赤ではなく、彼だけのあの色…


私のいるところから、3メートルほど離れたところで吊革に掴まる彼を見つけた。


少し混雑した電車の中で、赤色のTシャツを着たおそ松くんと目が合う。


驚いて大きな黒目をきょろきょろさせる彼…


どうして電車に乗ってるんだろう?動揺してるみたい…でも私は会いたかったよ。


〜次は〜赤塚〜赤塚〜


アナウンスが流れるなか、おそ松くんと見つめ合う。


少しの間のことだったけど…とても長く感じた。






赤塚駅に着いて、彼も電車を降りた。


ゆっくりと私のいるところまで歩いてきて、向かい合う。


「…」


「…」


「ようっ… 久しぶり…」


「久しぶり…今日はめずらしく電車に乗ってたんだね…」


「うん、隣町のパチまで遠征」


「相変わらずだね…」


ははっ と乾いたおそ松くんの笑い声が響く…


「この時間の電車なら…ひょっとしたら君に会えるかもしれないって思った…」


少し俯いて話すおそ松くん…私も俯きぎみに彼のTシャツから伸びる腕に目線を合わせた。

「ゆいちゃん…ちょっとだけ話さない?」


「うん…」


気に止めずに行ってしまうんじゃないかとも思ったから、こうして声をかけてくれただけで素直に嬉しくなってしまった。


「公園行こうか…」


歩きはじめる彼の一歩後ろをついて歩いた。










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