第3章 これを恋と呼ぶのなら3(おそ松)
次の日からおそ松くんは赤塚駅に来なくなった。
次の日、また次の日も姿はみえない…いつも約束してたわけじゃないけど…
出会ってから頻繁に会っていたから…会うことが当たり前になっていたなと思う。
彼に会えないことが悲しくて悲しくて…気を抜くと涙がにじむ…でも、はじめからこうなることは分かっていた…
彼が私と過ごした時間はただの気まぐれ…
これからも幼なじみの女の子を追いかけるのだろう…
そして、これからもずっと自分の世界の中で生きていくのだ…
彼の来なくなった部屋でひとり過ごす。
料理を作るのはあまり得意じゃないけど、おそ松くんは美味しいって笑顔で食べてくれた。
ソファーに座り嬉しそうにビールを飲んでた。
真剣な顔をして競馬新聞を読んでた。
満面の笑みでお疲れって言って頭を撫でてくれた…
ベッドに横になると、この場所で彼と触れあった記憶で心が埋め尽くされる…
彼のにおいを嗅ぎたくて、寝具に埋もれてみるけれどよく分からなかった…
頭の中で彼とのやりとりを繰り返す日々をいつまで続けたら、私は先へ進めるのだろう…
この胸の痛みを笑って話せる日は来るのだろうか…
浅い眠りの中で彼の夢を繰り返しみる…
夢の合間に目を覚ました夜は孤独で…果てがないように思えた。