第2章 これを恋と呼ぶのなら2(おそ松)
彼が幼なじみの女の子に会いに行った翌日の仕事帰り、赤塚駅に降り立つとおそ松くんはいつものように改札前の壁にもたれ掛かっていた。
「お疲れ〜」
いつもの笑顔。
私が泣いたことなんて、きっと興味ないんだろうな。
「今日はねぇ、おうまさんに会いに行ってきたの。でもダメ〜ぜんぜん当たらなかったよぅ〜」
うなだれた仕草をするおそ松くん。でも、ぱっと顔をあげてニカッと笑う。
「ゆいちゃんに慰めてもらおっと」
私の腕にしがみつき、すりすりと肩に頬を寄せる。
ニシシ…と鼻の下を指で擦って満面の笑みを向ける。
だめだ…かなわないよ…
彼が側にいるだけで、笑ってくれるだけで嬉しくて、胸がいっぱいになる。
おそ松くんのことが好きだから…彼のことが好きな間は、彼が側にいてくる間は、彼と一緒にいようと思った。