第2章 これを恋と呼ぶのなら2(おそ松)
かわいい幼なじみの話を聞いた後、さすがに落ち込んでしまった。
涙がにじむ…
その彼女がうらやましい…私はそんなにかわいいわけではないけれど、もしも彼の幼なじみだったら、彼の世界の一員になれただろうか?
漠然とそんなことを思う。
おそ松くんは、弟さん達や幼なじみのことが大切で、子どもの頃から知っているものしか認めてくれない気がした。
そんなの、私はぜったいに敵わない…
年月が足りない…
おそ松くんはいつになったら、私を彼の世界の一員にしてくれるのだろう?
心が悲しみで満たされて、大粒の涙が溢れてくる。
どれくらい泣いただろう?
疲れたな…もう寝よう。
目を閉じると、おそ松くんの笑顔が浮かぶ。
屈託なく笑う彼が好き…
大きいけれどすんなりした手のひらが好き…
鼻の下を擦る仕草が好き…
ふと真剣な表情をするところも好き…
耳元で囁く声が好き…
こんなに好きで、世界で一番親密な行為をしたのに…
繋がっていた時間は、きっと誰よりもおそ松くんと触れあっていたはずなのに…
私は、おそ松くんをかたち作るものの一つにはなれない。