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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



バレーのことだけ考えていた3日間は
あっという間に過ぎていった。

今日からはまた、
大学と部活の日々が始まる。

…それでも、
3日間の集中した感覚は
ずいぶん、俺の気持ちをラクにしてくれた。

改めて、思う。
やっぱり俺には、
木兎みたいに全部を全力で、
というのは、無理だ。

集中するために

木兎と綾ちゃんが
うまくおさまってくれてたらいい、と
今は心から思えるくらい、

俺の今の"一番"は
女ではなくバレーだと確信しながら、
いつもより少し早く、体育館に向かった。

バンッ…バンッ…
繰り返し聞こえる、
壁にボールがぶつかる音。

…やっぱりいる。この音。

『コタローちゃんっ!元気?』

相変わらず、誰より早く来て
ボールを触っている。

ポンッ。

ボールが、木兎の手の中に収まる。

『よっ、会いたかったぜ、相棒!』

相変わらずの、笑顔。
…不思議だ。あんなに俺の心を
掻き乱してた張本人なのに、
やっぱりこの笑顔を見ると、
嬉しいし、ホッとしてしまう。

まだ誰も来ていない体育館で、
二人並んで体をほぐす。

『どーだったよ?合宿。』

『うん。やる気が湧いた。
3か月後の合同合宿の選抜では
俺も絶対、あがるから。』

『おぉ、そうそう!
オイカワいてくんねーと、
俺のコントロール役がいなくて、調子、狂う。』

『…そりゃ、たった3日で
コタローちゃんを
コントロールできるわけないよ(笑)
セッターは後輩ばっかりだろ?
態度はどうあれ、
一応、遠慮もしてるだろーし。』

『だな(笑)
テクニックあるヤツはたくさんいるけど
俺の性格まで考えてくれんのは、
やっぱオイカワとあかーし。別格。』

…褒め上手なヤツめ(笑)

正直、ちょっと心配してた。

木兎が俺に遠慮してたら、とか
逆に遠慮なさすぎて強化組の話ばっかり
聞かされたら、とか。

普通に会話できることが、
こんなにありがたいなんてな…

だから、自分から聞いてみる。

『トビオと組んだ?』

『あぁ、影山。組んだ組んだ。』

『どーだった?』

誉める、ということはわかってる。

木兎は、努力してるヤツのことを
絶対、無意味に悪く言ったりしない。

…そうわかってるから聞いた。

トビオは、
ある意味、
俺の"特別"だ。

俺の中の奮起材料として
欠かせない存在。


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