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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



綾ちゃんが、
バッグから取り出したスマホを
チラリと見る。

『…コタローちゃんから?』

『うぅん、逆。
今日、珍しく、連絡ないなと思って。
…落ちた私に、遠慮してるのかな?』

『そんなことない、ゼッタイ(笑)
…自主練が終わらないんじゃない?
コタローちゃんの練習、際限ないから。』

『及川君から見ても、
光太郎君って、スゴイ?』

『…うん。』

わかってる。誰より知ってる。

木兎は、
本当によく練習する。
集中力もすごい。
人としての魅力も。

わかってるのに
褒めたくないのは…嫉妬だ。

『…綾ちゃん、帰りな。
連絡きたらゆっくり、話したいもんね。』

『…どうしよう。
これからも変わらず遊ぼうね、って?
これからは勉強に専念させて、って?
私、まだ、決めきれてない…』

『これからのこととかじゃなくてさ、
合宿のこととか聞いてやんなよ。
きっとコタローちゃん、
話したくてたまらないはず。』

『…そうかな?』

『そうだよ。』

…本当は、わからない。
だけど、もう、無理だった。
木兎のことばかり気にする
綾ちゃんの話を、
これ以上、聞き続ける自信がなかった。

さっき
『俺になんでも話して。』って
言ったばかりなのに。

せっかくこうやって綾ちゃんと
二人で堂々といられるのに、
話題が木兎のことばかり、って

苦しすぎる。

いい人のフリも、疲れる。
いい人なんかじゃ、ないから。

もし綾ちゃんをこのまま、奪ったら。
そしたら木兎はきっと怒るだろう。

怒ればいい。
それで調子、崩したり、
もしかしたら綾ちゃんと
別れることになるかも。
そしたら俺が、
綾ちゃんを彼女にする。
そして、
たくさん勉強する時間をあげて。

…ちょうどいいじゃん。
木兎は、強化メンバーの座を。
綾ちゃんは、医師免許を。
俺は、綾ちゃんを。

みんな、何かを失う代わりに
自分が一番欲しいものを
1つだけ、手に入れる。

みんな、何かを手離しながら
大事なものを手に入れてるんだ。

『木兎だけ、一人勝ちなんてズルい』

…そう言えない理由は、ただひとつ。

綾ちゃんが
木兎のことを
大好き、だから。

綾ちゃんを
悲しませたくないから、だ。
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