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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『だけど、』

…カラン…

氷の音。
うつむいていた彼女は、
スッと顔を上げて。

『こんなことなら、
もっとたくさん遊べばよかった。
…それか、
もっと自分に厳しくするべきだった。
光太郎君に言われたからって
中途半端に楽しんでた自分に腹が立つ。
そこが、光太郎君は選ばれて、
私がダメだった、一番の理由だと思う。』

胸を撃ち抜かれた気がする。

確かにそうだ。
木兎は、いつだって何だって本気。
バレーも女も遊びも、全部、100%。
例えて言うなら
あわせて300%の力で毎日過ごしてる。

俺は?
…バレーは、100%だったとしても
それ以外は、
綾ちゃんの言葉を借りれば
"中途半端に"楽しんでた。

だから、木兎に敵わない。
だから、どれも残らない。

バレーだけで木兎と並ぼうと思ったら
バレーに300%の力を注ぐくらいでないと
あのエネルギーには勝てないんだ、多分。

『…私の話ばっかりして、ごめん。』

『いや、すごく納得いく。
俺、悔しいって思うのに、
なんで自分がダメだったか、
そんなに冷静に分析できなかった。

…カッコ悪いけど、
選ばれたヤツのことを
羨ましいぞ、クソ!くらいにしか
思えなかったよ。

綾ちゃん、やっぱり頭いい。』

『頭、悪いから落ちたんだってば(笑)』

『それとこれとは、別。
すごく新鮮な考え方だね。
…コタローちゃんが綾ちゃんに
夢中だったのがわかる気がする。』

心からそう思ったから言ったんだけど。

『でもさ、及川君…』

彼女の思いは、一歩先にあった。

『これから、どっちにしたらいいのかな…』

…どっち、って?

『全力で勉強するべきか、
全力で遊びもやるべきか…
どっちが後悔しないんだろ。』

…それは、

『…究極の選択だね…』

俺も、同じだ。
今までの何倍も
バレーだけに専念するべきか。

それとも…

それとも、

どうせダメかもしれないなら、

本気で、女を愛してみるか。
…バレーで木兎に勝てないなら、
綾ちゃんを、狙ってみるか…

今はさすがに、
そんなこと、口に出来ないけど。

『絶対、来年は落ちれない。
家にも迷惑かけられないし、
光太郎君みたいに輝く人の
お荷物にも、なりたくない。』

…彼女の心にはまだ、
木兎が真ん中にいる、んだな…

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