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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



翌日。

昨日はあれから1度も
スマホは見てなくて、

今朝、アラームを解除する時に
チラッと見た限りでは、
LINEは来てなかった。

昨日送ったLINEが
既読になってるかどうかも
確認していない。

どっちでも、よかった。



そしてその日、俺は、練習をサボった。
休んだことは、ある。
でも、サボったのは、
覚えている限りで、初めてのことだ。



バレーをやりたくない日がくるなんてな…

バレーをサボってまで
会いたい人が出来るなんてな…



スマホは、見てない。
彼女が来るかどうかは、わからない。

講義が終わると、
真っ直ぐ、正門に向かう。
ここは体育大学。
当たり前のように部活に向かう人の波に
逆らって歩くのは、

人生から
コースアウトしてるような気分で、
息苦しくて、下を向いてしまう。

…バレーしなくたって、
別に、死にゃしないよ…

学校を出て、
知り合いがいない通りまで来て、
やっと少し、ホッとする。

ブラブラと歩いてるように
見えるかもしれないけど、

…途中で、
ファンの女の子に
声をかけられた気がする。
でも、聞こえないふりをした…

足は、迷うことなく
目的地に向かっていた。

夕暮れ時、
こんな時間に飲み屋街を歩いてるのは
これから店に行く関係者ばかり。

まだbarは閉まっていたけど、
他に行くつもりはない。
開くまで、店の前で、待つ。


…沈んでいく太陽の
ギラギラした眩しさが
木兎に見えて、

電線にとまるカラスの
虎視眈々とした目付きが
トビオに見えて、

息苦しくてたまらない。

何も見たくなくて
目を瞑ってため息をついた時、

『おや…どうしましたか?!』

心底、驚いた声。
マスターが、近づいてくる。

『ごめん、マスター。
一番乗りさせてもらえないかな?』

『まだ準備出来てないですけど…』

そう言いながら、
いつもと違う俺の雰囲気を察したように

『barの舞台裏、見てみますか。』

と、鍵をあけ、まだ真っ暗な店に
俺を入れてくれた。

電気をつけ、
上着を脱ぎ、
開店準備にとりかかりながら
さりげなく、聞かれる。

『待ち合わせ、ですか?』

『…約束は、してないんだけどね。』

でも、
ここで待つしか、
出来ることはなかった。

彼女は…来るだろうか。



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