第8章 ~ネコ達、恋に大騒ぎ。~
リ『そしたら彼女、すげー恋する女子の顔で、
"あの…灰羽君っ"って俺を呼んで、』
虎『お前が女子のモノマネすんな!
オエオエオエッ、気持ち悪い〜っ!』
研『トラ、嫉妬にしても見苦しいし聞き苦しい。』
虎『研磨、お前〜っ(;´༎ຶД༎ຶ`)…』
研『リエーフ、続き…って、
何でリエーフまで泣きそうなの?』
リ『だって!彼女、あんな可愛い顔と声で
"バレー部の人に一目惚れしちゃった❤️
見学に行くから、
こっそり色々教えてほしい"…って(泣)』
研『…つまり、リエーフ、振られたんだ。』
リ『いや、振られてないっすけど!』
研『あ、確かにそれ以前だね。』
リ『(ガックシ…)てか!ここ、俺以外に
一目惚れするほどカッコいい人います?!』
虎『いるだろ!俺とか、俺とか、俺とか!』
研『…トラ、ウザい…
ま、好みは人それぞれだからね…
でもリエーフ、誰のことか聞いてないの?』
リ『途中でその子の友達が来て、
"じゃあ、放課後ね!"って行っちゃったから
詳しくは聞いてないっすけど…
多分センパイだって…』
虎『センパイ!ほら、俺だろ!』
研『リエーフと芝山と犬岡じゃないことは
確かってことか。』
リ『そんで、背は俺より低いらしくて…』
虎『ほら、俺だ!』
研『それはトラに限らず、全員だし(笑)』
リ『そんで…髪型がちょっと個性的って。』
虎『マジ?!ほーらー、俺だって!
先輩でお前より背が低くて髪が個性的!
全部、俺に当てはまるじゃん!』
芝『いや、それなら研磨先輩も
全部当てはまりますよね…』
虎『芝山~、一目惚れされるんだぞ!
そこは、研磨じゃなくて俺だろ~😀』
研『俺、別にどうでもいいのに、
なんでちょっと不愉快な気分なんだろ…
ま、いいけど。で、それでリエーフは
今日、調子悪いんだ。』
リ『だって…バレーならともかく
ここで俺が男前度で負けるとは(涙)…』
虎『お前、まだプレーに貢献出来ない分、
センパイのために恋のスーパートスを
あげるくらいのことはしてもいいぞ!』
リ『俺、どこか山本先輩に負けてます?!』
虎『どこか、じゃねーよ、どこも、だよ!』
…あまりにくだらない言い合いで、
誰も止めにすら入らないところでしたが…
ここで遠慮がちに声をあげたのは、
やっぱり、優等生の、芝山君。
芝『あの、灰羽君…』