第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
『どっちがいいか?んー、』
ちょっとの間、考えて。
『どっちでもいい。』
ドロリ。
あぁ、何で俺が、
こんな気持ちになるんだよ。
『そう?ホントにどっちでもいい?』
『いいよー。
だって、コレもらった時は
意外でびっくりして嬉しかったし、
もしトーガイ…じゃなくて頭蓋骨…
だったとしたら、
光太郎君らしくて嬉しいもんね。』
…結局、
何をもらったか、より
誰にもらったか、の方が
重要ってことか。
好き、って
そういうことなんだろな。
端々に感じる、疎外感と敗北感。
でも、誰も悪くない。
俺が勝手にいじけてる。
『ね、それよりさ、』
綾ちゃんが
コロッと話題を変えてくれてよかった。
最近、流行りの芸人のこと。
学食の新メニューについて。
今年の学園祭のゲストの噂。
最近オープンした店の評判。
色気もなにもない、
本当に、友達同士の他愛ない話。
『あぁ、一年後の今ごろは
私、どうしてるのかなぁ…』
『そりゃ、新人ドクターとして
大忙しの毎日、じゃない?』
『頑張らなくちゃ。
うちの大学、国試の現役合格率、95%だから。
落ちたら悲惨だ…』
『勉強、順調?』
『そこそこ、かな。今日はちょうど、
ひとつ課題を提出したところだから
こうやってのんびり飲んでるけど…
明日からはまた、頑張らなくちゃ。』
…俺は本当にイヤなヤツだ、と自分でも思う。
『大丈夫?木兎、うるさくない?
勉強の邪魔になってない?』
…そんなわけ、ないじゃん、って
分かってるのに、止められなくて。
『なんか、そんなイメージあるけど(笑)
実はすっごーく協力的なんだよ~。
このネックレスもね、』
そう言いながら、また胸元を触るから
俺の胸も、ギリギリと軋む。
『羽には、飛躍?幸運を運ぶ?だっけ、
なんかそんなラッキーな意味があって
しかも、光太郎君も
羽モチーフのキーホルダー持ってるから、
さりげなくお揃いなんだって。
光太郎君も、ほら、
全日本選抜とか、プロになれるか、とか
いろいろ大事な時期だから、
一緒に頑張ろ、一緒に羽ばたくぞ、って。
お守りがわり、って言ってくれた。』
…本当に、嬉しそうな顔で。
因果応報。
バカな質問して、
結局自分に痛みが返ってくる。
俺、サイテーだ。
木兎に比べたら、悪魔だ…