第8章 ~ネコ達、恋に大騒ぎ。~
虎『気になるじゃんかっ!』
犬『なりますなります、
どっちからどうやって告白したか!』
虎『よーしよしよし犬岡、
お前は、そこが気になるのか、
さすが1年、かわいいヤツめ。
…しかし2年生にもなると、
1年生より少しだけ大人の分だけ
気になるのは、その先なのだよ。』
犬『先?』
虎『そう。告白して付き合い始めたら、
その先にあるもの、それは…』
犬『わぁ、なんですかっ?!』
虎『ぅ、ぅん、それはだな…』
純粋一直線の忠犬、犬岡君と、
不純一直線の性少年、山本君。
突っ込みどころを探して
ワクワクした顔の福永君。
軽く軽蔑ぎみの顔の研磨君。
自分の立場を理解して、
わざと目線を反らしてる芝山君。
そして、
こんな時に遠慮なく口を開くのは
いつだって心は『俺が世界の中心!』
体も態度も大型新人、リエーフ君。
ハッキリと。
あっけらかんと。
リ『あぁ、セッ☆スしたかどうかでしょ。』
…ドーン…
目には見えないけれど、
明らかに震える空気。
山本君のアゴが30㎝くらい落ち、
研磨の視線が-30℃くらいに冷え、
芝山君と犬岡君は
まるで聞こえなかったようにスルーし、
福永君は相変わらず飄々と、
ラッパーのように韻を踏む言葉を探す中、
そんなことは全く気にならない
最強ポジティブメンタル保持者のリエーフ君は
至ってフツーの雰囲気で
リ『俺だったらキスからセッ☆スまで
一気にヤッちゃいますけど、
夜久さんは真面目だからなぁ…
つきあって1ヶ月でキス、
半年くらいでセッ☆クス、とかって
ちゃんと計画たてそうな気がしません?
ねぇ研磨さん、あの二人、
つきあってどのくらいたつんスか?』
虎『り、リエーフ、ちょ、待て!』
リ『山本先輩、なんすか?』
虎『今の口ぶりだと、お、お前はもう、
そ、その、なんていうか、
アレもコレも経験済みのような…』
リ『俺?俺はぁ、』
ゴクリ、と、山本君がツバを飲み込む音が
みんなの耳に聞こえるほど大きく響く中、
周囲を気にせず意気揚々と、ハキハキと。
リ『俺は、マダなんすけどっ。
今、狙ってる子いるんで、
その子を1学期中に口説いて、
夏休みにはイッキに決める予定っす!』