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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)




夏。

俺達は、
合宿や強化試合が目白押しで

綾ちゃんは
国試に向けての勉強が忙しくなって

それでも二人は、
休みをあわせて一泊旅行に
行ったりしたらしい。

俺は…

試合を見に来た綾ちゃんに
会うくらいだ。
3人で飯、にも、
あんまり行かないようにしてる。

それでも、わかる。
綾ちゃんは、
本当に、明るくて可愛くなった。

前に、木兎が言ってた。

『果物なんかの樹を、大事に育ててる感じ。』

…きっと、彼女自身も知らなかったような、
すごくキレイな花が咲く。
すごく豊かに実が実る。

木兎が大事に育てた花に
手を出してしまわないように
実をちぎってしまわないように

近づかないのが一番だ。



なのにさ、


『及川君!』


…会ってしまうんだ。




たまたま一人で
駅に向かって歩いてる時に、

たまたま一人で
駅に向かって歩いてくる彼女と。

『綾ちゃん…』

今まで1度も
そんなこと、なかったのに。

『…一人?』

『うん。先輩に届け物に来た帰りだから。
光太郎君、今日、いないでしょ。』

そうだった。
今日は飲み会だって言って、
練習終わってすぐ帰ってった。

同じ駅に向かって歩く。

『ね、久しぶりに、ご飯、食べていかない?』

…断れ、俺。

『いや、うん…』

中途半端な俺の返事を聞いて
綾ちゃん、笑ってる。
本当に、よく笑うようになったな…

『それ、どっちなの?いや?うん?』

もしもその時、

ちょうど通りかかった場所が
そこでなかったら、
断ったかも知れないけど。


『…びっくりするほど
ちょうど、この店の前だしね。
言われてみれば、腹、減ってるかも。
…寄って行こうか。』

だって、たまたまそこは、
最初の頃、よく3人で来てた
あの居酒屋の前だったから。

だって、腹、減ってるし。

だって、向こうが誘ってきたんだし。

だって、飯、食うだけだし。

だって、断る理由がないし。

…いくつもの言い訳を自分にしながら、
暖簾をくぐった。




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