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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)




『…結構ヒドいヤツだって思ってたんだね。』

『だから、ごめんなさいって。』

『いや、いいよ。
むしろホントにそういう男だし。
…俺も、ごめん。
綾ちゃんのこと、最初は、
目立たないしクールで真面目そうで
つまんない、お堅い女だろうから
木兎には似合わないって思ってた。』

…笑ってる。

『結構、ヒドい女だって思ってたんだね。』

『だから、こっちこそごめん。』

『いい、いい。むしろ私も、
限りなくそういう女だと思うよ。
…だから、木兎君にアプローチされて
びっくりしたんだもん。』

あぁ、それだ。
電話で聞けなかった話。

『なんで、木兎とつきあおうと思った?』

『及川君の言った通り、木兎君って、
絶対、私に似合わない人だよね。』

『…イヤ、どうかな…』

『さっき及川君、自分でそう言ったし(笑)
からかわれてるんだと思ってたから
断るのが当たり前だろうなっ、って。
だけど、本当に熱心に、
私のいいところをたくさん言ってくれて、』

木兎らしい。
アイツは人のダメなところも
取り柄みたいに照らすヤツだ。

『私が"全然、そんなことない。
木兎君みたいなスターに、
私みたいな地味なのは
とても釣り合わない"って言ったらね、』

彼女は、
その時を思い出すように
少し遠くを見て
嬉しそうな顔をして、言った。

『"大丈夫。
全部、本当だって俺が証明してやる。
綾ちゃんの魅力に
世界で一番最初に気付いたのは、俺!"
…って言ってくれたんだよね。

すごく、嬉しかった。
あんなキラキラした人に
キッパリそう言われたら
なんか、もしかしたらそうなれるかも、
…って思っちゃったんだよね。』

木兎はここにいないのに、
綾ちゃんは、
その時のことを思い出しただけで
こんなに嬉しそうな顔をする。

『…わかる。
俺、大学入って初対面の木兎に
"俺の相棒、見つけた!"って言われた時、
多分、綾ちゃんと同じ気持ちだった。』

『なんだか、一緒にいたら、
世界が変わるんじゃないか、
自分も変われるんじゃないか、って』

思うよな。
木兎って、そういうヤツだ。

納得、いく。
そして、また、思う。

俺は、木兎には、勝てない。

…女に、こんなに幸せそうな顔、
俺、させてやったこと、ないな…




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