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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)



『…お前、やっぱ、バカだ。』

『え~っ、岩ちゃんに
バカって言われたくないねっ!』

『いいや、バカだ。
結局、ちゃんとした彼女作らねぇまま
卒業なんて、どー考えてもバカだ。』

『…俺、"みんなの及川さん"だもーん。
日替わり、いいよ~!
デートもセックスもいつだって刺激的。』

『鬼畜か?いつか、恨まれて刺されるぞ?』

『だから彼女にしないんじゃん。
それでもいい、1回だけデートして、って
みんな言うからさぁ。』

『…俺と離れたら、
誰がお前のダークサイドにつきあうんだ?
誰がお前の暴走をストップさせるんだよ?』


ダークサイド。
まさに今の俺は、ダークサイドな気分。
岩ちゃんだから、それを吐き出せる。


『…ねぇ、岩ちゃん。
俺ら、最高のチームだったのにさ、
結局、中学の時のリベンジは
1つも果たせないままだったね。』

『…だな。でもお前はまだこれから
チャンス、いっぱいあるじゃねーか。
牛若も影山も、今から何度だって
対戦できんだろ?』

『そりゃそうだけど。
でもやっぱ岩ちゃんとのコンビで、
牛若、ぶっ潰したかったじゃん。』

そう。

もう、
俺は岩ちゃんにトスをあげることは
多分、ない。

岩ちゃんに練習中にぶん殴られることも
チームメイトにラーメンをたかられながら
サーブに立つことも、ない。

『…俺だって、そう思う。
でもここから先は、お前とは違う道だ。
だから、お前はお前で、
ちゃんと心を明かせる女、見つけろって。』

『それ、別に女じゃなくていいじゃん。
岩ちゃん男だけど俺の一番の理解者だし。』

『男でお前を理解できんのは、
残念ながら世界中で俺だけだからよ!』

…そうだね。
確かにそうだ。
でも。

『でもさ、岩ちゃん。
俺、まだ何も成し遂げてないんだ。
バレーしか取り柄ないのに、負けっぱなし。
…せめてなにか一個、結果出さないと。
それまでは、女は、遊びで充分。』

『…お前、不器用か?』

『だって、全力でバレー出来るのも
あと10年はないかもしれないからね。
後から出てくる才能の芽を潰しながら
及川徹の時代を作らないと。』

『…やっぱり、自己チューか?』

『女は、そのあとでジューブン取り戻せる。
なんてったって、みんなの及川さんだから。
死ぬまでモテちゃう及川さんだから。』

『…ただのナルシストだな…』


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