第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
長い話の途中経過を
ざっくり説明すると、
彼女は
『私じゃ木兎君の相手は無理。』と
断りモード。
木兎は
『嫌いじゃなくて、彼氏がいないなら
つきあわない理由がない。』と
攻めモード。
彼女は
『嫌いなわけない。一緒にいると楽しいし。
でも、それなら友達でいいんじゃない?』
…と至って一般的に答え、
木兎は
『それじゃ、俺、ほかに
彼女作らなきゃいけないじゃん。』と
わかるようなわからないような返事をし、
彼女は
『でももしつきあっても、
木兎君のこと、理解してあげられる自信、ない。
きっと木兎君の方が私じゃものたりなくなって
結局、私がフラれるはず。』
と言い、
はい、そこでやっと
俺が出てきたらしい。
木兎いわく、
『俺の取り扱いがわかんない、ってこと?
なら、大丈夫!オイカワに聞けば完璧。
俺のことで困ったら、オイカワに相談!
これでどうだっ!』
という流れで
綾ちゃんはようやく、
付き合いをOKしてくれたらしい。
『つまり、オイカワが切り札だったってわけ。
いや、マッジで感謝。
あそこでオイカワ出てくんなかったら、
俺、負けてた。』
…俺はトランプのカードか?(笑)
『てか、コタローちゃん、それって
コタローちゃんのしつこさに
彼女が根負けしたってだけじゃない?』
『つまり、俺が勝った、ってことだろ?』
ゲーム感覚(笑)
これじゃ確かに、
ごく一般的な思考回路で
かなり理知的な彼女からしたら、
到底、理解できないだろうな…
『というわけでっ。』
木兎が俺の肩をガシッとつかむ。
『痛い、ガチで痛いよ、コタローちゃんっ!』
『綾ちゃんから連絡あったら、
相談にのってあげてくれよなっ。
俺の魅力、100%増量のアドバイスで頼む!』
…100%増量、って…2倍?
ん?
『連絡?』
『そ。俺のことで悩んだら
オイカワに相談しな、って言ってある。
連絡先、交換したじゃん。』
したけど。
今まで、一回も連絡とったことねーし。
『オイカワいてくれてたら、
俺、無敵だしっ!ヨロシクなっ!』
…岩ちゃん。
高校の頃の俺は、こんな風に
岩ちゃん達に無茶なお願い、してましたか?
もしそうなら、今、モーレツに反省してます…
根拠のない自信って、
本人にはいいけど、
他人にはなかなか迷惑なものだね…
