第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
翌日の木兎は、
足が地面から3㎝くらい
浮いてるんじゃないかと思うほど
浮かれていた。
朝から
『なぁなぁ、なりゆき、聞いて!』と
言いたい感じがハンパなくて(笑)
とりあえず、授業の前に声をかける。
『おはよっ。コタローちゃん、よかったじゃん。』
『おうっ!もう、俺、今なら
サーブだけで25点取れそうな気がしてるっ!』
『それ、俺の出番なくて困るな(笑)
…で、どーやって口説いたの?』
『そうそう、それだよ。オイカワのお陰っ!』
え?俺?
『…俺?なんかしたっけ?』
木兎は、ぐっと顔を近づけてきて
小さな声で(木兎にしては。)言った。
『最初、一回、フラれたんだよね。
"私じゃとても、木兎君の思考回路を
理解できない気がする"ってさ。』
『…それって、
ノックダウンレベルのフラれ方じゃない?
俺、そんなフラれ方したら凹むけど。』
『いやいや、
まだ理解できるはずないじゃん?
だって、つきあってないんだからさ。』
…最強ポジティブシンキング(笑)
『だから、俺、言ったんだ。
そんな理由じゃ諦めない、って。
とりあえずつきあってみて、
そんでやっぱりダメだったら、
そん時に俺をフってよ、って。』
『でもさ、それで
"はい、わかりました、それならつきあいます"
…とはならないんじゃない?』
『スゲー!及川、なんでわかんの?!』
『いや、それが普通だと思うよ(笑)』
『そーかな?いや、そーなのかも。
確かに彼女もそう言ったしな。
"その発想が、既にわかんない"って。』
…彼女、結構、ハッキリ言うな(笑)
『ねぇ、コタローちゃん、
今んところ、うまくいく気配が
全く見えない話の展開だね。』
『だろ?苦労したんだよー。』
…まだ続くのか。
想像しただけで面白い。
『俺は、いつ頃関係してくる?』
『もうちょっと先。』
予想以上の長編ストーリー、
さらに木兎の大盛りの話っぷりで(笑)
核心には全然たどり着かないまま
授業が始まってしまい、
それから休み時間のたびに
ちょっとづつ、
話は行ったり来たりしながら進み…
だいたいの流れがわかったのは
結局、昼飯時の学食だった。