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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)




…中途半端なところで
置いていかれた感が、ものすごい。

それは、
綾ちゃんへの
キス(未遂)に対しても、

母さんへのとってつけたような
子供じみた態度にしても。

…くそー、俺、
いざとなると自分で思ってるより
ずっとダメだなぁ…

なんか、どーしていいかわからなくて
ぼけっと突っ立ってたら、
母さんが風呂から上がってきた。

お茶とたこ焼きを
テーブルに並べながら

『一静、座ってよ。』

…久しぶりに、
母親と二人で向かい合う気がする。

『学校から、進路相談会の手紙がきたの。
もう、本腰いれて考える時期だもんね。
一静、大学、どこ受けるか決めてるの?』

『…え?』

『いや、どこでもいいのよ。
いいんだけど、
もしうちから通えないところだったら
独り暮らしとかも考えなきゃだし、
いろいろ私も心の準備が…』

『…俺、大学行く前提?』

『行くでしょ?あれ、大学行けないほど
成績、悪くなかったよね?』

『まぁ、上の中くらいだけど。』

『でしょ?行けるよね?』

キョトン、としてる母親。

『…俺、なんなら
働こうかと思ってるんだけどさ。』

『ええっ?!』

驚きすぎて、
たこ焼きが箸からポロリと落ちてる。

『あ、あたし、そんなこと聞いてない!』

『そりゃ、まだ、言ってないから。』

『どうして?ま、まさか、結婚…』

『え?!母さん、結婚するの?』

『あたしはしないわよ!
あたしじゃなくて、一静!
結婚するから働くんじゃないの?
え?もしかして、子供できた?
え?ってことは、孫ってこと?
あたし、お祖母ちゃんなのっ?!』

『違う。全面的に、違う…』

話、暴走しすぎてびっくりだ。
この人、ホントに、
ちゃんと店、経営出来てんのか?!

『あのさ、母さん、知ってる?
大学とか専門学校って、
青城よりもずーっと、金、かかんだよ?
そこんとこ大丈夫なのか、って話。』

『あぁ、そういうこと…びっくりした!』

そりゃ、こっちのセリフだ。
天然な人だと薄々知ってたけど。

『子供はそういう心配しないで。
それは親のやるべきことだから、
一静は自分の未来だけ考えなさい。』

綾ちゃんの言葉を思い出す。
"遠慮は、静が一番悲しむ。"
…なら、
遠慮なく聞いてみていいだろうか。

『…親って?父親が払ってくれるんだ?』

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