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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第6章 ~恋と恋の、あいだ~(松川 一静)



一緒に見たい映画がある、というので、
人気上昇中のイケメン若手俳優と
グラビアでよく見るロリ顔タレントの
ラブストーリーを見た。

周囲は、若い女性か、カップルばっかり。

やっと想いが通じあったのに
彼氏役が転校していく場面になったら、
あちこちからすすり泣きが聞こえてきた。

俺の隣で
彼女も鼻をすすりあげる音がしてる。

ハンカチとか貸すべきなのか、
それとも
気付いてないフリするべきなのか。


及川だったら、ここぞとばかりに
スマートに手を握るか肩でも抱くだろう。

岩泉なら、
"泣くな!"とか言いつつ
ティッシュくらい渡すか?

花巻は案外、
自分もウルッときたりして、
それをごまかすのに必死かも。

で、俺は?
俺はどーするべきか?と考えながら、

思った。

…これで泣けねぇ俺、冷たいんだろーか。

俺の回りには、母親をはじめ、
(よく事情は知らないけど)
修羅場をくぐってきた女性が多いからか?

転校したくらいで泣くかな?
両想いなら、なんとかなるだろ。

…そう思ってしまう俺に、
綾ちゃんの言う
"今しか出来ない高校生らしい恋愛"が
出来るんだろーか?


そんなことを考えていたら、
いつの間にか映画は終わっていた。
…あの二人、最後、どうなったんだ?

でも、
感動一杯な顔をしてる彼女に
そんな質問、出来るわけなく…

『ぁぁ、もう、よかったぁ、
最後、嬉しくて泣けた~、ね、センパイ!』

『ぁ、ん、だな。』

映画に影響されまくったのか、
映画館を出ていくカップルの密着度が
いちいち、ハンパねぇ。

彼女も、さりげなく腕をからませてきた。
うん、これは高校生らしい。…のか?

ぶらぶら歩きながら
映画の感想を熱く語る彼女に
相槌をうっていたら、

『…センパイ、今日はこのあと、
なんか予定、あるんですか?』

『予定?』

『ぇと、ほら、
せっかくゆっくりデートしてるから、
予定ないなら、
もうちょっと一緒にいたいなぁ、とか。』

『あぁ、んー、そうだな、』

日暮れ時に、彼女から積極的アプローチ。
映画見て、気持ちが盛り上がった?

どーすっか。
それってもしかして、
接近戦?!になだれこむ可能性、あり?

あぁでも、俺、部活帰りだから
シャワー浴びたいなぁ…
いきなり、ラブホって、どうよ?

てかその前に、腹、減った…

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