第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
シャワーでびしょ濡れになりながら
彼女の身体を見下ろす。
…あ、このおっぱい。
思い出した。
真っ白な肌が
マシュマロみたいにプワプワしてて
乳輪と乳首が、
桜みたいな薄い色のピンク。
顔と名前は忘れてたけど
このおっぱいは、覚えてる。
じーっと見ていると、
乳首が途端に固く立ち上がる。
『見られてるだけで固くしちゃって、
どうしたのさ。もしかして興奮してんの?』
『…う、ん…』
『覚えてるよ、このおっぱい。
すっごくエロい手触りだった。
これ、自分の色じゃないよね。
アリスちゃんみたいな淫乱ちゃんが
こんな子供みたいなピンクのはず、ない。
なんか、してんの?』
『…黒ずみ防止のクリーム…』
『ふーん。
そうやって清純、きどってんのか。
彼氏のため?
それとも他の男を誘惑するため?』
『…今日の及川君、意地悪…』
一回寝たくらいで、
"今日の及川君"なんて言うなよ。
"今日のワンコ"じゃねーんだからさ。
あんた、俺の飼い主でも彼女でもない。
俺の何を知ってるのさ?
『残念ながら、』
濡れたままの彼女に
バスタオルを投げて。
『俺はもともと、こういう男。
見た目に飛び付く君達が、悪い。』
…嫌な男だと、自分でも思う。
岩ちゃんみたいに、
"浮かれてるんじゃねぇ!”って
ガツンと叱ってくれる人がいないと、
マッキーやまっつんみたいに
"残念なイケメン"って
こきおろして笑ってくれる人がいないと
俺の
"見た目だけコンプレックス"は
刺々しく自分に突き刺さるんだ。
ごめんね、アリスちゃん。
たまたま君の名前が
"ア”で始まるばかりに
今夜の俺の欲のはけ口になっちゃったね。
…せめて、
意識がなくなるまで、イかせてあげるよ。
『さ、おいで、アリスちゃん。』
少し怯えてる彼女を
ベッドに押し倒す。
『彼氏とは違うセックスをしよ。
思いきり、淫乱になって、
思いきり、喘いでイきな。
愛がないセックスも、悪くないよ。』
『…そう、かな?』
『そうだよ。
愛しちゃうから、みんな
相手を傷付けないように優しくしたり、
イったフリなんかするんだろ?
だったら、愛さなければいい。
そしたら、快感だけに正直になれるから。』
恋愛は、一番大事にしたら窮屈だ。
努力では、どうにもならないから。
だから、2番目くらいで、ちょうどいい。
