第6章 ～恋と恋の、あいだ～(松川 一静)

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仙台の夜の街に、
知る人ぞ知る会員制の
バーラウンジがあります。

看板も出ていないし
ネットで検索してもヒットしない
このバーは、

紹介がないと入れないし、
出入り口も開けてもらえないし、
そもそも場所だって
地図にすら載っていません。


この店は、もともと
一人の大物財界人が、
愛する女性のために作った場所。

彼女の
"静(しずか)"という名前に由来して
彼がつけた店の名は、


"一人静(ひとりしずか)"




世間的には
夫婦と名乗ることの出来ない
彼と彼女の間に産まれた男の子は、

二人を結ぶ場所である
店の名前そのままに

"一静"と名付けられ、

家族以外のたくさんの人に
家族のように守られてすくすく育ち、

その名の通り、

物静かな雰囲気で
人の心を受け止めるのが上手な、
どこか大人びた雰囲気を持つ、

バレーボールが上手で
制服の似合わない(？！)
立派な高校生になっています。


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