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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)




…今思えば、
体育大会が終わった頃から
なんとなく"あれ?"と思うことはあった。

例えば、

朝、学校に着いてみたら、
上履きが片方だけ靴箱から落ちてたり、
私の机だけ、斜めにズレてたり、
消しゴムのカスが机にいっぱいあったり、

廊下に張り出してある委員会新聞の
私の名前のところだけ破れてたり。

最初の頃はその程度で、
そんなことは"たまたま、偶然"
起こりうることだと思っていたから
気にもとめなかったんだけど、

『…もしかして、そういうのも全部、
嫌がらせだったのかな?』

『なにそれ、
嫌がらせに決まってるじゃん!
今まで何とも思わなかったの?!』

カオリが苦笑してる。

『綾がそうやってのんびりしてて
なかなか嫌がらせに気づかないから、
あたしに矛先向けたんだね、きっと。』

『…え?そうなのかな?ごめん…』

『綾が謝ることない!
よーし、誰だか知らないけど、
あたしを巻き込んだことを
後悔させてやろうじゃないっ!
綾、今日からパトロール。
犯人、捕まえるよっ!』

…俄然、張り切るカオリを見て
ちょっと不安になる私。
だって、元カレに、大勢の人の前で
落ちた肉まん、くわえさせた人よ?!

好きだった人に
それをやっちゃうんだから、
そうでない人には
どんなことをするつもりだろ?!

…私は、残り少ない中学生活、
できれば波風立てたくないけど、
カオリが必要以上に暴走しないように
見張っておかないと大変だ、と思い、

…元はといえば、
私の密やかな恋心が招いたことで
カオリは何にも悪くないのに
これ以上、
巻き込むわけにはいかないし…

カオリのいうところの"パトロール"に
つきあうことにした。

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