第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
それからは、時々
3人で飯を食いに行くようになった。
一応、俺の連絡先も教えてあるけど
俺のスマホに連絡があったことは
1度もない。
そりゃそうだ。
授業やバレーで電話に出られないのは
俺も木兎もほぼ同じ時間。
それ以外の時間なら、
木兎は『連絡、来ねぇかなあ♥』と
片時もスマホを手離さないから
俺よりはるかに連絡、とりやすい。
二人が連絡とりあって、
木兎に誘われて俺もついていく。
そんな不思議な仲がつづいていた。
俺が行く必要は…
ないといえば、ない(笑)
断ろうと思えば、断れる。
だけど、なんとなく、
この
釣り合うような
釣り合わないような
不思議な二人がどうなるのか
気になってしまって。
キャーキャー言われる快感を
たっぷり知っている木兎が
『追いかける恋が楽しい!』
というのが、少し悔しくて。
だって、
俺より一歩先を行ってるみたいな
気がするから。
…もっと言えば
『さっさとくっついて、
バレーに専念しろよ。』
と思う気持ちと
『さっさとフラれて
バレーに専念しろよ。』
と思う気持ちがどこかにあって。
(いや、今でも木兎は絶好調を
キープしてるんだけど。)
…とにかく、
今のふわふわした状態が
どっちに転ぶのか、見届けたかった。
今思えば、
木兎も、綾ちゃんも、俺も、
この頃が一番楽しかったのかもしれない。
夏が来る頃、
俺達のバランスが
微妙に変わり始める。