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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)




千鳥山中は、優勝は逃したけど、
西谷君は『ベストリベロ賞』というのを
もらってた。
私はバレーはよくわからないけど、
それってなんだかすごいことみたい。

『声、かけに行こうよ!』

表彰式とか終わってから
カオリにひっぱられて
観覧席から選手の出入口まで行くと、

『…みんな、スゴいんだね…』

スマホを持った女の子達が結構いて
ちょっとびっくり。

『…ニシノヤ撮ってるわけじゃないって。
ほら、北川第一とか白鳥沢とかみたいな
強豪校は、固定ファンがついてるから。』

だけど、みんな、こうやって、
自分の気持ちにあわせて、
"行動"してるんだもんね。

恋が実るか実らないかは別にして、
ちゃんと、自分の気持ちに素直に
動いてるんだもんね。

私も、
私は、
…やっぱり私は…

『…カオリ、帰ろ。』

『えー?おめでとうって、声くらい、かけようよ!』

『明日、学校で言うから。』

『それでいいの?』

『いいよ。今まで通りでいい。』

『せっかく、恋だって自覚したのに?』

『変に意識しちゃったら、もう、明日から
普通に話も出来なくなりそうだもん。
…お願い、このままでいさせて。』

『諦めて平気?』

『諦め、じゃないよ。
諦めたくないから、今のままでいたい。』

『…綾がそうしたいなら、それでいいけど。』

『…意気地なしだと思う?』

『そんなこと、思わないって(笑)
私とは違うんだな、とは思うけど。』

…カオリは優しいからそう言ってくれたけど、
私は、自分のことを意気地なしだと思った。

だけど、
"好きかも"と意識してしまったら、
失うことの方がずっと怖い気がして。

卒業までのあと半年ちょっと、
少しでも、西谷君との想い出を作りたかった。

『しょーがないなぁ、もう、この、初恋女子っ!!』

カオリのたくましさが羨ましい。

『わかった、まかせて!!
私の初恋を見届けてくれたお礼に、
私が綾の初恋を
キラキラの想い出いーっぱいにしてあげるからね!』

カオリの優しさが嬉しい。
でも、ちょっと心配(笑)

『お願い、余計なこと、しないでよ?!』

『はいはい、わかってる!
綾は私のそばにいればいいからっ!』

…カオリの頼もしさが、眩しい。

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