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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)



しばらく、カオリと西谷君の
コントみたいなやりとりが続いて、

『…ふうっ。』

カオリが、おっきなため息をつく。

『なーんとなく、わかってた。』

?!

『告白した時、すぐOKされたんだよね。
向こうは私のこと、何にも知らないのに。
あれ?友達から、とか言わないのかな?
…って一瞬、思ったんだけど、
まぁ、私がカワイイからかな、って
自分の都合のいいように考えて、』

西谷君が、カオリをパンチしかけて
カオリがそれを左手で見事にブロックする。
…こんな時でも、この二人、面白い(笑)

『ホントのこと言うと、
つきあってる間も、何度も、
アレって思うこと、あったんだ。
デート中でも他の子と電話で話すし、
約束の時間、平気で破るし、
遅れても申し訳なさそうじゃないし、
ドタキャンも、今日だけじゃないし。』

『なんだ、それ。サイテーじゃねぇか!
俺、お前に腹立ってきたぞ!
なんでそんなヤツと付き合うんだよっ?』

それは確かに、私もそう思う。

西谷君と私の疑問に、
カオリはキッパリと答えた。

『しょーがないじゃんっ!
だって、好きになっちゃったんだもん!
カッコよくて、すっごくドキドキして
それでいいじゃん、って、
自分では納得してたんだもん!』

『…お前、ケッコー、モテるのに
なんであんな男、選ぶんだよ…』

『好きじゃない人に好きって言われても
全然、心、動かないんだよねぇ。』

『ゼイタクヤロー!』

『うるさいっ。恋したことない人に
言われたくなーいっ!』

…ほんとだね。
私には、まだ、わからない。
「好き」って言ったことも
言われたこともないから。

『でも、もう限界だろ?』

『…うーん、』

『俺、ぶん殴ろうかっ?!』

『だめ。ムダにこじれる。』

『あの…カオリ、』

今度は私が口を開く。
言いにくいコトだけど。

『…やっぱりあれは彼女っぽかったよ。
ね、西谷君。』

『…だな。』

カオリが一瞬、傷ついた顔をした。
そして、

『でもほら、彼女の方からしつこく
言い寄ってて断りきれないのかも、だし。』

そんなことはない、と思うのは、
私と西谷君は目の前で見たから、で。

信じたくない、と思うのは、
きっと当たり前のこと。
…だってカオリは、"彼女"なんだもんね。


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