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~愛ではなく、恋~【ハイキュー‼】

第4章 ~いつか叶う、恋~(西谷 夕)



『お、森島じゃん!』

ぉぁぁぁぁぁぁっ!!

『西谷君?ど、どうしてここに?』

言いながら情けなくなる。
西谷君は、部活の帰りなんだから
別にここにいてもおかしくなくて、

むしろあたしの方がよっぽど
"どうしてここに?"の立場です…

だけど、
そんなことイチイチ気にしないのが
西谷君。

『俺?
俺は、部活終わったとこなんだけどさ、
なんと、弁当、忘れてきたみたいでっ。
腹減ってぶっ倒れそうだったから、
とりあえず、そこのスーパーで
なんか買い食いしようかと思って。
森島も、飯、買いに?』

…そういえば、お昼、食べてなかった。
そういうことにしておこう…

『そ、そう、そうなの。
今日、吹奏楽部は休みなんだけどね。
なんかすごく、あそこのずんだおむすび、
食べたくなっちゃって。買いに来た。』

『そーか!じゃ、行こうぜ。』

ジャージにエナメルのスポーツバッグ。
見慣れてるはずなのに、
学校の外を二人で歩いてる、と思うと、
すごくドキドキする。

…すぐそこに
お握り買いに行くだけなのに。
カオリの顔がふと思い浮かんだ。
"まさき君"と初めて二人で歩いた時は、
カオリもこんな風に、ドキドキした?

スーパーに着くまで、
何ということのない学校のこととか
話ながら歩いて、

それぞれお昼ご飯を買った私たちは
店のすみの、お茶や水が飲める
イートインコーナーに座った。

『あぁ、腹へった!いただきまっす!』

ガプリとお握りにかぶりつく西谷君。
その無邪気な顔を見てたら、
今なら何でも話せそうな気がして、
…カオリのことを話してしまう。

『西谷君、最近、カオリに会ってる?』

『カオリ?あぁ、そういやあんまし会ってないな。
朝、学校来る時、たまに道で会うけど。
あとは、部活のアップ中に見るくらい。
…彼氏と会うので忙しいんだろ?』

『知ってたんだ、彼氏出来たこと。』

『あー、アイツわざわざ報告しに来たから。
彼氏に疑われないように、
もう俺とは一緒に帰ったりしない…ってさ。』

『そんなこと言われて、西谷君、ヤじゃないの?』

『ヤなわけねーだろ!
よかったじゃねーか、
ちっとは女らしくして、フラれんなよ
…ってアドバイスしてやったぜ。』

…ホントに"最強の友達"なんだね…

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